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睡眠不足は、腸のROSを介して短命を引き起こす睡眠不足は、様々なモデル生物において、早期死亡につながる可能性が示されてきた。睡眠は、脳のニューロンによって生成されることから、睡眠不足に伴う脳機能の低下に起因すると考えられてきた。本研究では、ハエとマウスの睡眠不足モデルを用いて、睡眠不足により、腸に活性酸素種(ROS)が蓄積し、その結果、腸管の酸化ストレスが引き起こされることを示した。さらに、抗酸化物質の摂取や、腸における抗酸化酵素の強制発現が、腸のROS蓄積、酸化ストレス、さらには短命を改善することも示した。本研究では、睡眠不足がなぜROS蓄積を引き起こすのか、また腸のROS、酸化ストレスが早期死亡につながるのかまでは示せていないが、脳ではなく、腸が重篤な睡眠不足による早期死亡のプロセスの中心であることをはじめて示した。
紹介論文: Sleep Loss Can Cause Death through Accumulation of Reactive Oxygen Species in the Gut. Cell, 2020.