トピックス

ヘテロクロマチン構造の維持

 メチル化修飾によって発現が抑制された状態であるヘテロクロマチンは、繰り返しDNA配列において形成される傾向があります。著者らは、分裂酵母においてメチル化修飾除去酵素Epe1を過剰に発現させるとsmall RNA産生が活発化することに着目し、このメカニズムを研究しました。本研究では、繰り返し配列には多数の転写開始点が存在しており、Epe1によって脱抑制されることにより十分量のncRNAが転写されることでRNAiが活性化し、結果的にヘテロクロマチンの形成が起きていることを明らかにしました。この知見を応用し繰り返しの欠損による病気の治療法などが開発されることが期待されます。

紹介論文: Asanuma et al, Tandemly repeated genes promote RNAi-mediated heterochromatin formation via an antisilencing factor, Epe1, in fission yeast. Genes and Development 2022.

▲TOPへ戻る