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腸内細菌B. uniformisは持久性運動パフォーマンスの向上に寄与する

 腸内細菌叢と運動パフォーマンスは関係があるとされていますが、具体的にどのような細菌が運動パフォーマンス向上に寄与するのかは不明でした。大学生の男子長距離選手の腸内細菌叢を調べると、一般の人より腸内細菌の多様性が高いことがわかりました。なかでもBacteroides uniformisの割合と3000 m走の記録には相関がありました。

 B. uniformisの基質であるαシクロデキストリンというオリゴ糖を健康な若い男性に投与し、二重盲検比較試験を行ったところ、腸内のB. uniformisの数が増加していました。また、αシクロデキストリンの摂取により、バイク10 kmの記録が向上しました。このことから、αシクロデキストリンはB. uniformisの増加を促し、持久性運動パフォーマンスを向上させていることが示唆されました。これはマウスでも同様の結果が得られました。

 さらに、マウスにB. uniformisを投与したところ、水泳の継続時間が伸びたほか、腸内の短鎖脂肪酸濃度が増加しました。また肝臓の糖代謝や脂質代謝に関連する酵素の発現が上昇し、肝グリコーゲン量の減少が見られました。

 以上のことから、B. uniformisによる持久性運動パフォーマンスの向上は、肝臓グルコース産生の促進によるものである可能性が考えられます。

紹介論文: Morita et al., Bacteroides uniformis and its preferred substrate, α-cyclodextrin, enhance endurance exercise performance in mice and human males. SCIENCE ADVANCES 25 Jan 2023 Vol 9, Issue 4

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