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運動は脂肪肝を防ぐエネルギーの高い食事の習慣的な摂取により脂肪肝を引き起こしますが、運動によって解消されることが知られています。近年の研究により、運動をすると肝臓ミトコンドリアの代謝が変化することが明らかになりました。しかしながら、ミトコンドリア代謝と脂肪肝の関係は分かっていませんでした。ドイツの臨床化学・疾患生物化学研究所の研究グループでは、マウスに高エネルギー食を与えて運動させ、ミトコンドリア関連因子の発現と糖脂質代謝の関連を調べました。
高エネルギー食を与えたマウスの肝臓を摘出し、ミトコンドリアを単離すると、ミトコンドリア呼吸が活性化していました。高エネルギー食により呼吸鎖複合体I、グルコース酸化、ピルビン酸・アセチルCoA代謝、および脂質合成に関連する遺伝子の転写・発現に異常が生じますが、運動によって解消されることが遺伝子の網羅的解析により明らかになりました。運動することで肝臓ミトコンドリアの活性を正常に戻し、アセチルCoAからの過剰な脂質合成を抑制することが、脂肪肝の防止につながると考えられます。また、肝臓ミトコンドリア代謝はインスリン抵抗性とも密に関わっているため、運動によってインスリンの作用を正常にする可能性も考察されました。
以上のように、運動によりミトコンドリアの代謝を正常化し、アセチルCoAからの脂肪酸合成を抑制することで、高エネルギー食摂取時でも脂肪肝を抑制できることが明らかになりました。
紹介論文:Exercise prevents fatty liver by modifying the compensatory response of mitochondrial metabolism to excess substrate availability. Hoene et al., Molecular Metabolism 2021
