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II型糖尿病薬メトホルミンは転写因子Foxo1を介してグルコース代謝を調節するメトホルミンはII型糖尿病治療薬として広く使われています。メトホルミンは肝臓でのグルコース産生を抑制することで、血糖値を下げることが知られています。しかし、その詳細な分子作用機序は未だ明らかにされていません。中国の陸軍軍医大学新橋病院の研究グループは、培養細胞とマウスを用いて、メトホルミン投与およびメトホルミン・アスピリン共投与による転写因子Foxo1への影響を調べました。
まず、メトホルミンはFoxo1依存的に肝臓グルコース産生および血糖値上昇を抑制していることを示しました。さらに、メトホルミンはプロテインキナーゼA (PKA) によるFoxo1リン酸化経路を阻害することで、グルカゴン刺激による肝臓グルコース産生を抑制していることも明らかにしました。培養細胞とマウスの両者において、Foxo1のリン酸化部位変異体では、メトホルミンの効果が打ち消されました。高脂肪食誘発性肥満マウスにおいて、メトホルミンはPKA活性を弱め、Foxo1のリン酸化を抑制することで、グルコース代謝を改善させることを示しました。
また、アスピリンは肝臓で代謝されるとサリチル酸となって薬効を発揮します。サリチル酸の投与でも、PKAによるFoxo1リン酸化経路を阻害し、グルコース産生と血糖値の上昇を抑制することが明らかになりました。しかし、その効果はメトホルミンの効果を増強するものではありませんでした。
このグループの研究により、メトホルミンはPKAの調節を受ける転写因子Foxo1のリン酸化を制御することで、肝臓グルコース産生を抑制していることが示されました。
紹介論文: Metformin Targets Foxo1 to Control Glucose Homeostasis, Guo et al., Biomolecules, 11, 873, 2021
