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アミノ官能基化デュアルメソポーラスシリカナノ粒子を用いたグルカゴン様ペプチド1受容体アゴニストとFGF21の効果的で安全な送達

 ナノマテリアルは、その優れた薬物運搬能力のためにますます注目を集めているが、これらのナノマテリアルは代謝性疾患の治療に使用されることはほとんどなかった。2型糖尿病(T2DM)の治療薬として広く使われているグルカゴン様ペプチド1受容体アゴニストLiraglutide(Lira)と糖代謝とインスリン抵抗性(IR)を改善することが分かっている線維芽細胞成長因子21(FGF-21)をin vivoで相乗効果を発揮するかどうかを調べるために、アミノ官能基化および埋め込みデュアルメソポーラスシリカナノ粒子(N-EDMSN)を使用して、リラグルチドとFGF-21を同時に送達する新しいドラッグデリバリーシステムを開発し、それらの生物学的効果を観察した。N-EDMSNは、大きなポア(> 10 nm)と小さなメソポア(〜2.5 nm)をもっており、表面は正に帯電、および水溶液中での良好な分散性をもつ独自の階層的多孔質構造である。 N-EDMSNは、外因性遺伝子の負荷容量が高く、FGF-21プラスミドとリラグルチドを同時に取り込むことができることが示され、Hepa1-6細胞を用いて細胞毒性が低いことが確認された。in vitroでN-EDMSNs / pFGF21 / Lira複合体のHepa1-6細胞へのトランスフェクションに成功し、そのトランスフェクション効率はLipofectamine2000のトランスフェクション効率よりも高かった。in vivoでN-EDMSNs / pFGF21は肝臓に集積することが示され、N-EDMSNs / pFGF21による送達は、流体力学的送達よりも肝臓でのFGF-21発現が高かった。 さらに高脂肪食(HFD)を与えられたマウスにおけるpFGF21とLiraの相乗効果を調べたところ、各単独送達やN-EDMSNsを用いない送達と比較して、N-EDMSNs / pFGF21 / Lira送達では①体重・摂食量・血糖値が有意に減少、②エネルギー消費量が有意に増加、③肝臓の糖新生が抑制、④肝臓のIRが改善することが示された。N-EDMSNs / pFGF21 / Lira複合体による糖新生の抑制とインスリンシグナル経路活性化はin vitroでも確認された。

 以上のことからN-EDMSNs / pFGF21 / Lira複合体は毒性や副作用を増加させることなく、血糖値を下げ、IRを改善し、体重増加を抑制する相乗効果があることが分かった。N-EDMSNsを用いた肥満者と2型糖尿病の治療に有用な新しい技術を開発したことが実証された。

紹介論文: Effective and safe delivery of GLP-1AR and FGF-21 plasmids using amino-functionalized dual-mesoporous silica nanoparticles in vitro and in vivo. Geng et al., Biomaterials. 2021 Apr;271:120763



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