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新たな糖尿病治療法??

 現代病の1つである糖尿病は、日本でも大きな社会問題となっており、2019年の患者数は490万人と推定されています。日本では、インスリン注射やカロリー制限などによる治療が主流ですが、その効き目には個人差があり、今なお多くの患者さんが糖尿病に苦しんでいます。

 アイオワ大学の研究チームは、糖尿病の新たな治療法として、電磁場が糖尿病の有効な治療法となることを発表しました。驚くべきことに、糖尿病モデルマウスを地球上の100倍の電磁場に30日間暴露すると、血糖値が正常値まで戻ることを発見したのです。しかし、効力を維持するためには電磁場に暴露され続けることが重要であり、暴露を停止すると4日~1週間で血糖値は糖尿病時まで戻ってしまいます。

 研究チームは、電磁場が血中のインスリン量を増加させるのではないかと仮説を立てますが、予想に反してむしろインスリン量が減少していることが分かりました。そこで研究チームは、グルコースクランプ法を利用した実験を行い、電磁場への暴露はインスリン感受性を改善することを突き止めました。つまり、少ないインスリン量でも、血糖値を正常値まで下げることが可能となったのです。

 インスリン感受性が改善するメカニズムの全貌は未だ解明中ですが、電磁場への暴露で体内の酸化ストレスマーカーとして知られるF2-isoprostanesが減少することが分かりました。また、電磁場への暴露により酸化還元反応で重要な役割を果たすNRF2の活性が上がることも報告されました。筆者たちは、電磁場への暴露が、体内の酸化ストレスを減少させるトリガーとなる可能性を示唆しています。

 今回の論文では糖尿病モデルマウスを使用した実験であり、電磁場への暴露による副作用はないとのことですが、ヒトで同様の結果が得られるのか、これからの研究チームの報告に期待したいです。

紹介論文:Eposure to Static Magnetic and Electric Fields Treats Type 2 Diabetes, Carter et al., Cell Metabolism, 2020

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