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消化管ホルモン分泌における小腸と大腸の役割

消化管の腸内分泌系には、摂取した食物によってホルモン分泌を分泌する、いくつかのタイプの細胞が存在します。消化管ホルモンの一種であり、インスリン分泌の促進や食欲の制御をすることで知られるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、この腸内分泌L細胞で合成され分泌されます。 このL細胞は小腸下部に多く存在しているにも関わらず、摂取した食物が小腸下部に達する前に血中のGLP-1濃度が増加します。これに関して、2つの仮説があり、第一は小腸上部から神経または何らかのホルモンが小腸下部のL細胞へ情報を伝えるという仮説、第二は、小腸上部のL細胞がGLP-1の急速な初期上昇を引き起こすという仮説です。

本論文ではGLP-1遺伝子であるGcgを小腸のL細胞においてノックアウトしたマウスと、回腸および結腸の細胞のGcg遺伝子をノックアウトしたマウスを作製しました。そして、栄養素を投与した際の、GLP-1分泌における小腸と回腸および結腸の役割について解析を行いました。

解析の結果、回腸および結腸のL細胞は、栄養素刺激によるGLP-1分泌には関与していないが、リポポリサッカロイドやメトホルミンといった物質による、GLP-1分泌に重要であることが分かりました。

これらの結果から、マウスL細胞は、その存在する場所、つまり小腸と大腸でそれぞれ機能が違うことが明らかになりました。

紹介論文: Panaro, et al., Molecular Metabolism, in press, 2020

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